治療のご紹介
1.使用する鍼について
当院では“ディスポーザブル( 使い捨て)”鍼を使用しています。消毒滅菌されて1本ずつ梱包されたディスポーザブル鍼は、一回ごとに廃棄していますので感染の心配は有りません。
鍼の直径は非常に細く、長さは約40ミリ、直径は0.12ミリで「かすみ」と称される鍼で、素材はステンレスです。
鍼の刺入深度は、最大5ミリ程度ですが、ほとんどの場合、接触のみ〜2ミリの深度に留めています。どこへのどの様な刺激をするかが重要であり、長期的に見ると深い鍼は逆効果となり、むしろ危険なだけと考えるからです。
2.使用するお灸
艾(もぐさ)はヨモギの葉の裏にある毛(毛茸=もうじょう)を乾燥し精製したものです。その精製により多くの等級に分かれ、上質な艾ほど熱の浸透が身体に優しいものとなります(艾の質に中国製と日本製が有りますが日本製の高品質は中国製を圧倒しています。これは鍼の品質にも言えます)。
当院では最高級の艾を捻った灸を使用しており、熱さを感じたら取ると言う知熱灸(ちねつきゅう)と糸のようにひねった糸状灸(一点に集中させることで効果があります)を使用しております。火傷をすることはありません。
井上系経絡治療
病気にならない方法は有りません。老いを止めることも出来ません。しかし、老いや病とお付き合いする方法は有ります。症状が改善するのは、1日の変化、季節の移り変わりに対応出来る体調を取り戻すことから始まります。
当院では、中国伝統医学による脈診、問診に基づいた治療(井上系経絡治療)をします。
この治療は、中国伝統医学の特性を鍼灸に活かすべく、日本にて1930年代から1940年代初頭に形成された経絡治療という治療法の一派です。脈診と問診を中心に、身体をひとつの関係しあう場と捉え、全体として治療していきます。
最大の強みは
“ひとつの病気でも身体全体として捉える方法が有ること”
“加齢や季節によって変化する体調を明確に捉える方法が有ること”
“予後判定の方法が有ること” 等が挙げられます。
これらにより、加齢や季節の変化にも大崩れしない心身を得て頂くことを一番の目標とします。
その場の効果も有りますが、何より3ヵ月後、1年後の変化は大きなものです。
人生の最後まで活きる治療法です。
※中国伝統医学とは、中国を発祥地として東アジア圏(中国、日本、朝鮮など)で行われてきた医学です。2000年ほど前の後漢から三国時代の頃に完成を見ました。その後、学術的な混乱期も有ったのですが、700年ほど前の中国の南宋から明の頃に、今に繋がる学術が形成されました。その特徴としては、大略して以下の様に言えるでしょう。
①人は歳とともに衰え、絶対に逆戻りは出来ない。②人は常に自然(四季、風土)に影響される存在である。③加齢に加え、意識感情(憂い、悲しみ、怒りなど)が人を消耗させる。④消耗することで自然の気のめぐりに耐えられなくなる。⑤それらを陰陽五行にて捉え治療する。
治療施術の流れ
STEP 1 : 問診
主訴と共に必ず大小便食事睡眠生理などの体調を伺います。大小便食事睡眠生理は基本的な生理現象であり最も体調を表すと考えるからです。これら身体のリズムの好転が無ければ、主訴症状の根本的な改善は無いと考えております。
STEP 2 : 脈診
橈骨動脈の拍動部にて、①脈(血管)の浮き沈み(血管の深さ)、②血管を押さえた時の弾力(密度)、③1呼吸あたりの脈拍数、④脈拍のリズム・・などから脈診としての病態把握を行います。
STEP 3 : 手足のツボに鍼
脈診と問診にて診断がついたら、先ず手足の経路(血のめぐりの筋道)のツボに細く浅い鍼をします。これは、手足の浅いところと身体の深いところは関係しあっている理論によります。
STEP 4 : 肩、腰へ施術
リズミカルに細かく鍼をする散鍼≪さんしん≫とお灸をすえて、首、肩から背中にかけての血をめぐらしていきます。
”血がめぐる”とは、①皮膚が明るくなる、発赤する。②僅かに発汗する。③皮膚が柔らかくなる。などの変化を指します。
以上が大まかな治療の流れとなります。お読み頂き有り難うございました。
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